伝説によれば世界を焼き尽くす炎の七日間の後、Amazon様がこの世に平和をもたらすという。残念ながら嘘ですが、そんな救世主Amazon様のサーチ欄にあらゆる疑問を問いかけるという、はた迷惑なこのコーナーは今週もやってくるのです。
前回このコーナーでは反戦歌『花はどこへ行った』についてお送りしましたが、その回つけたタイトルは「その答は風の中さ」。すぐにお分かりの方も多いでしょう。やはり反戦歌として知られるボブ・ディランの名曲『風に吹かれて (Blowin' in the Wind)』からの引用です。
人間社会の悲劇や矛盾について問いかけるこの曲では、印象的なサビでその答は風の中にあると歌われています。ディランは安易な耳ざわりのいい答を与えずに、この曲を聴いた人それぞれの心に問いかけようとしたのかもしれませんね。
では、Amazon様に聞いてみましょう(だいなし)。
サーチ :風が知っていること
Amazon様の検索結果より
リア王
ライマン
指揮:ゲルト・アルブレヒト
演奏:バイエルン国立管弦楽団
風の中にあるという答はオペラ『リア王』でした。
いや待ってください。ライマンによるこの現代オペラ、原典はもちろんシェイクスピア四大悲劇のひとつ『リア王』ですが、『リア王』といえば王位争いにはじまる悲惨な戦争、そして権力が招いた悲劇と、17世紀にしてすでにディランの『風に吹かれて』に通ずるテーマが描かれている作品です。
いわば『風に吹かれて』のアンサーとして非常に正しいチョイスではないでしょうか。さすがはAmazon様と言わざるをえません。
第1部 第3場 「吹け風! 頬をふくらませ!」や第1部 第1場 「お前が恥ずかしがり屋なのはよく知っている」などが引っかかったことはさておき、いまはこのオペラが偶然とはいえ検索結果に出たことを素直に感心しましょう。
(2008.02.22)